
高血圧症(生活習慣病)とは?
あなたの健康を守るために
- 健康診断で高血圧を指摘されたが症状がないので放置している
- 高コレステロール血症を指摘されたが周りも同じなので大丈夫だと思う
- メタボリック症候群って言われたけど、面倒なので病院には行きたくない
上記の項目に当てはまる方は、一度は高血圧(生活習慣病)外来受診をおすすめします。
血圧とは?
- 心臓から出た血液が血管の壁を押す力が「血圧」です。
- 血圧は常に変動しており、運動時は高くなり、安静時に低くなります。
- 収縮期血圧とは心臓が血液を送り出しているときの圧力で、拡張期血圧は心臓が拡張している時の圧力です(下図)。

また、高血圧症は、「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2種類があります。
本態性高血圧と二次性高血圧の比較表
項目 | 本態性高血圧 | 二次性高血圧 |
---|---|---|
定義 | 明確な原因が特定できない高血圧 | 特定の疾患や要因により発症する高血圧 |
原因 | 遺伝、生活習慣病(塩分過多、肥満、運動不足、ストレスなど) | 腎疾患、内分泌疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症など)、薬剤性、睡眠時無呼吸症候群など |
発症年齢 | 主に中高年(40歳以上が多い) | 若年層や急激に発症するケースが多い |
進行 | 徐々に進行する | 急激に発症・進行する場合がある |
治療法 | 生活習慣の改善、降圧薬の使用 | 原因疾患の治療(手術、薬物療法)+降圧治療 |
予後 | 適切な管理でコントロール可能 | 原因疾患の治療次第で改善可能 |
本態性高血圧は高血圧全全体の90%を占め、二次性高血圧は約10%程度とされています。
二次性高血圧は基礎疾患を治療する可能性があるため、診断が重要です。
高血圧症や生活習慣病は、自覚症状がないことがほとんどです。
そのため、気づかないうちに合併症が進行していることがよくあります。
症状がないからといって放置するのは大変危険です。

高血圧や生活習慣病を放置すると動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こす可能性があるので、まずは高血圧(生活習慣病)外来にて今の自分を知ることが大切です。

受診が必要な血圧は目安は130/80mmHg以上です。
心血管・脳血管疾患のリスク層を下記に示します。

高血圧外来ではどんな検査をしますか
- 問診、診察、血圧測定(両手)
- 心電図
- 心臓エコー検査
- 頚動脈エコー検査
- 血液検査(二次性高血圧を精査)
- 必要に応じて睡眠ポリグラフィ検査、CT検査、MRI検査などがあります

高血圧の治療
高血圧症の治療は 生活習慣の改善 と 薬物療法 を組み合わせて行います。
1. 生活習慣の改善(非薬物療法)
軽度の高血圧であれば、生活習慣の改善だけで血圧を正常範囲に保てます。
- 食事療法:減塩、バランスの取れた食事
- 運動療法:適度な有酸素運動(ウォーキング、ストレッチなど)
- 体重管理:肥満の場合、減量により血圧が下がる
- 節酒・禁煙:過度のアルコール摂取を控え、禁煙を推奨
- ストレス管理:リラクゼーションや十分な睡眠
2. 薬物療法
生活習慣の改善だけでは血圧がコントロールできない場合、降圧薬を使用します。
- ACE阻害薬・ARB:血管を収縮させるホルモンの作用を抑える
- カルシウム拮抗薬:血管を広げて血圧を下げる
- 利尿薬:ナトリウム・水分を排出し血圧を下げる
- β遮断薬:心拍数を抑え血圧を下げる
受診者の状態に応じて、単剤または複数の薬を組み合わせて使用します。
3. 二次性高血圧の場合
原因疾患(腎疾患、内分泌疾患など)がある場合、その治療を優先します。
適切な治療と定期的な血圧管理を行うことで、脳卒中、心疾患、腎障害などのリスクを減らすことができます。
お気軽にご相談ください
高血圧症(生活習慣病)が不安な方、まだ詳しい検査を受けたことがない方など、お気軽にご相談下さい。