脳梗塞や脳出血の危険が高まる無症候性脳梗塞とは

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無症候性脳梗塞とは

無症候性脳梗塞とは
無症候性脳梗塞は、脳の細い血管が詰まって起こる病気で、脳梗塞の一つです。
細い血管の中でも、比較的太い部分に動脈硬化が起こって詰まった場合には、脳梗塞の症状が出る場合がありますが、 無症候性脳梗塞は、先の細い部分が詰まるため、脳の組織に影響が起こらず、症状が現れません。ただ、症状がないからといって安心は禁物です。無症候性脳梗塞を起こした人は、命にかかわる本格的な脳梗塞や、脳出血を招く危険が高まるだけでなく、小さな脳梗塞の数が増えることによって、血管性認知症になる場合もあるのです。
無症候性脳梗塞とは
無症候性脳梗塞の危険因子は、加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、過度の飲酒、運動不足や喫煙、肥満、過労・ストレス、家族歴などがあります。この中でも、最大の危険因子が動脈硬化を起こす高血圧です。高血圧が長期にわたり続くことで動脈硬化が進行し、無症候性脳梗塞の原因になると考えられています。また、2型糖尿病の人の約3~6割に、慢性腎臓病の人の約4割に無症候性脳梗塞を認めたという報告もあるので、糖尿病や慢性腎臓病の人は注意が必要です。

無症候性脳梗塞の治療

無症候性脳梗塞の治療は、まず、糖尿病や脂質異常症などのいわゆる危険因子の管理を厳格に行います。
そのなかで特に大事なのが高血圧のコントロールで、塩分を控えるなどの食生活に配慮し、必要であれば血圧を下げる「降圧薬」をしっかり服用します。また、脳血管の閉塞や狭窄の程度に応じ、いわゆる血液をサラサラにする抗血小板薬が投与されることがあります。

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※2021年3月現在の内容です