睡眠習慣の改善で不眠症が治らない場合は睡眠薬による治療も

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睡眠薬の種類

睡眠薬の種類
不眠症の治療では、まず生活環境を改善し、睡眠習慣の指導が行われます。それでも治らない場合には、必要に応じて睡眠薬が使われます。
現在使われている薬は、 ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬 の4種類です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳の神経活動を全般的に抑えることで眠りやすくする薬です。日本では約50年前から使われていて、種類も多く、作用の持続時間が短いものから長いものまであります。しかし、ふらつきなどの副作用が出やすく、やめにくいという問題点があります。
非ベンゾジアゼピン系は、不眠の改善作用に特化して、筋肉を緩めるような作用が少ないことから、ふらつきや転倒の危険性が緩和されています。
メラトニン受容体作動薬は、体内時計の調整作用に関係するメラトニンというホルモンと同じような作用があり、夜型や睡眠時間のずれが治らない場合に効果が期待されています。
オレキシン受容体拮抗薬は、目覚めを促す働きのあるオレキシンというホルモンの作用を遮断し、眠れるようにする薬です。世界に先駆けて2014年から日本で使われ始めた、最も新しい睡眠薬です。

睡眠薬の効果的な使用法

睡眠薬の効果的な使用法
軽度の不眠症の場合は、よく眠りたいときに限って睡眠薬を使用する場合もあります。ただし、1週間に3、4日も眠れない日がある場合は、毎日きちんとのみ、不眠を改善してから睡眠薬を減らすのが、薬離れの近道だといわれています。市販の睡眠薬は、旅先での使用や一時的な不眠に対するもので、不眠症への治療効果は実証されていません。使っても短期間にとどめましょう。
睡眠薬が効かない場合には、 “薬が本当に効いていないのかどうか”、“うつ病、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群などほかの原因を見落としていないかどうか” などを確認し、もともとの症状や病気の治療を行ったうえで、薬の量や種類を変更します。
不眠症は、きちんと眠ったという体験を積み重ね、安心感が増すことで改善されます。睡眠薬はその一助として用いられます。よく眠れるようになり、減薬や休薬を検討する場合は、自己判断で行わず、必ず担当医に相談しましょう。

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※2021年3月現在の内容です