認知症の進行を遅らせるリハビリのすすめ

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認知症の進行を遅らせるリハビリ

認知症の進行を遅らせるリハビリ
認知症は、早期の段階で受診すれば、適切な治療やケアによって悪化を防ぐことができます。認知症の治療としては、薬物療法だけでなく、 脳の活性化に役立つリハビリも大切 です。
リハビリには、回想法や芸術療法といった方法があります。
認知症の方は、古い記憶は残りやすいという特徴があります。 たとえば、回想法では昔の写真やおもちゃなどを用いて、家族や旧知のグループで昔の思い出を語ります。
芸術療法には、絵を描く、工作をする、懐かしい歌を歌う、楽器を演奏するといった方法があります。このような活動は体で覚えているので、 以前から慣れ親しんでいるものであれば自然にできることが多い のです。できるだけ本人が親しみやすいテーマを選ぶことがポイントです。

家事でもリハビリは可能

家事でもリハビリは可能
料理や掃除、洗濯などの家事をうまく工夫すれば、自宅にいながらでもリバビリを行うことができます。
高度な記憶力や複雑な判断力がないと家事はスムーズに行えません。しかし、家族と一緒に行うと、家事を分担できることがあります。家事を分担することができれば、達成感や自信を得られるので、日常生活に張り合いができます。
家事を一緒に行うときのポイントは、以下の4つです。
  1. 1つ1つシンプルにお願いする
  2. うまくいっていることを伝える
  3. さりげなく手伝う
  4. 感謝の気持ちを伝える
たとえば、カレーライスを作る場合、「じゃがいもとにんじんを包丁で切ってね」というように、「切る」という1つの作業をお願いします。切り終えたら「上手だね!」などとうまくいっていることを伝えましょう。作業が止まり戸惑っている場合は、「次はにんじんを切るんだよね」などと、次の手順を先回りして伝え、さりげなく手伝います。
1つの作業をやり終えたら、感謝の気持ちを言葉で伝えましょう。 自分が必要とされていると感じることで家事に対する意欲がわき、次の行動につなげることができます。 こうして自分の居場所や役割を生活の中で感じてもらうことが大切です。

©NHK 制作協力NHKエデュケーショナル
※2021年3月現在の内容です